金雲のすき間

合戦図屏風より愛を込めて

2015-01-01から1年間の記事一覧

『戦国のゲルニカ「大坂夏の陣図屏風」読み解き』を読みました

『重要文化財・大坂夏の陣図屏風』は歴史の大きな境目となる大合戦の「大坂夏の陣」を描いた六曲一双の大きめな屏風です。黒田家伝来の為、通称「黒田屏風」と言われています。 合戦図屏風で「重要文化財」指定されているのは、この『大坂夏の陣図屏風』と『…

『神仏・異類・人 ー奈良絵本・絵巻にみる怪異ー』展へ行って来ました

國學院大學博物館は初めて行きましたが、広くて展示品も見やすく入場無料でいいのかしら?という充実した博物館でありました。 今回は企画展の方を目当てです。妖怪・怪異系の日本画はこれも芸術どうこういうものではなく楽しむべきと思うのです。 企画展の…

関ヶ原・敦賀の旅 その2

2日目 おはようございます!とワンコと一緒に大垣駅前までお迎えにきていただく。至れり尽くせりの旅行で恐縮であります。 ということで2日目はいよいよ敦賀へ!大谷吉継さん関係の史跡を見学に向かいます。 まずは赤坂の安楽寺へ「家康が寄進した大谷吉継…

関ヶ原・敦賀の旅 その1

一日目 世の中は連休で「よし行こう!」となった時にはすで彦根のホテルはどこも満室。さてどうしたものかと、相談したところ大垣に一泊することに。予約した新幹線よりも一本早いものに乗れそうだったのですが、そちらももう満席で変更も出来ず諦めて予定通…

『物語をえがく』展に行ってきました

昔よく近くを通って通勤していたのですが、中に入るのは初めての根津美術館。和風庭園がとにかく綺麗。時間があればカフェでゆっくりとお庭を眺めるのもよし。 さて、目的は〝屏風〟です。合戦図屏風だけじゃなかったの?と思われても仕方ないわけですが、最…

賤ヶ岳七本槍を合戦図屏風から考える

賤ヶ岳合戦図屏風も関ヶ原合戦図屏風同様に写しが多々有り、さらにちょっとずつ内容が違うという複雑怪奇な様相を呈しております。 屏風によって〝七本槍〟のメンツが違う。なぜなのか。 ということで、ちょっと賤ヶ岳合戦図屏風について調べてみました。 現…

『春画展』見てきました

先月になりますが、話題の『春画展』へ行ってきました。 ここに限らず平日の美術館や博物館へ行くとシルバー世代の方々が多いので驚きますが、みなさんお元気でいい老後をお過ごしです。そんな婆さんになりたいと常々思っている次第であります。 今回もたく…

〝戦国合戦図屏風〟研究の成り立ち

『特別展 戦国合戦図 屏風の世界』(1997)和歌山県立博物館 これをずっと探していたのですよ。いろいろな資料をみていると必ず参考文献に名前を見るのですが、実物がなかなか手に入らず……国会図書館のコピーしかないかなぁと思っていたら、オクに出品されまし…

『うらめしや〜 冥途のみやげ展』見て来ました

東京芸大美術館にて幽霊画堪能してきました。 明治の噺家・三遊亭圓朝の菩提寺である谷中・全生庵に所蔵されている圓朝が蒐集した幽霊画コレクションの展示であります。 全生庵幽霊画は比較的に日本人の幽霊の典型を描いており、妖怪とまぎれるようなものも…

『画鬼暁斎』見てきました

屏風好きから派生して最近とても日本画に興味が出てきました。しかし自分で絵が描けるわけでもなく、理系の人なので過去に〝絵〟について勉強をしたこともなく、ただただ眺めて幸せになる程度であります。日本画には色気があると思うのです。と言うことで丸…

資料追加

だいぶ前になってしまいますが芸術新潮6月号。 関ヶ原合戦図屏風(津軽本)と大坂夏の陣図屏風が大変詳しく解説されています。 びよ〜〜んっと広げられるかなり大きめの屏風絵もあり ご興味のある方にはオススメ! と思ったのですが、既に各方面品切れでした…

合戦図屏風の位置づけ(覚え書き)

合戦図屏風の位置づけ ◆「屏風」として 十六世紀以降、書院造りの殿邸建築の本格化により屏風文化が発達。 襖絵・屏風絵が大作絵画の主流となり狩野派をはじめとする諸派が成立。 ↓ 多くの優れた屏風が制作される。 『花鳥図』『景物図』『山水図』『人物図…

『図説「合戦図屏風」で読み解く!戦国合戦の謎』読みました

屏風の写真もカラーでたくさん使ってあり、新書版なのが惜しい大きさでした。 写真が多いご本は大判サイズで見たいですよね。 しかし屏風を見るというよりも、読み応えのある内容でしたので この本はこの大きさでいいのかと思います。 屏風からの各合戦の説…

東京国立博物館『洛中洛外図屏風』と『厳島遊楽図屏風』

東京国立博物館の本館に 『洛外洛中図屏風』と『厳島遊楽図屏風』が展示されていると知り ちょろっと上野まで足を伸ばしました。 刀剣女子で賑わう刀のコーナーを抜け 奥まったところにある屏風コーナーに目当ての屏風がありました。 現存する『洛中洛外図屏…

『決戦!関ヶ原』読みました

関ヶ原に参戦した武将をクローズアップしそれぞれを違う作家が書いた短編集。 〝関ヶ原合戦〟という視点ではどうしても全体の流れの中に薄まってしまう各武将の合戦への思いを群集の中に紛れることなく、それぞれを主人公として語られており、おのおのの話を…

『大 関ヶ原展』行ってきました

3月28日初日です。 初日だし常設展もリニューアル無料だし きっと混むだろうなぁと覚悟の上で出陣しました。 入場券は前売りのオンラインチケットを入手済だったので スマホを片手にいざ会場へ。 みっしりと人がいるかと思っていたので 展示物の最前に一列ぞ…

『白頭の人』読みました

1日くらいでだーーっと読めました。 文体が軽いので読みやすいです。 で、舐めていたら結構きっちり史実を追っています。 大谷吉継さんは出自も確定しておらず いろいろわからないことが多いだけにフィクションがかなりの部分を占める小説でした。 それ故に…

洛中洛外図屏風

突然、洛中洛外図屏風に興味が出ました。 屏風繋がりではありますが 殺伐とした合戦とは違い 帝のお膝元京都の四季や日常の様子が華やかに描かれた屏風です。 そして……資料が多い! これ大事です。 探せばいくらでも資料があるし、 なによりちゃんとwikiにま…

関ヶ原合戦図屏風【3】各屏風まとめ

まずは屏風の構造と数え方から これは『関ヶ原町歴史民俗資料館』にて購入したミニ屏風です。 ギザギザギザと6枚の板から出来上がっています。これで〝六曲〟 これ一点なら〝六曲一隻〟 二枚並んで一対となっているものは〝六曲一双〟となり、左を左隻、右を…

さらに屏風資料追加

福岡の関ヶ原屏風の資料ないかな〜と昨年見に行った『軍師官兵衛展』で買い損なった図録をNHKで購入。 (なぜか図録を購入せず、関ヶ原合戦双六をウキウキ買って帰った) 終わっちゃった特別展の図録は売り切れたりして 後で後悔しても入手出来ない事が多い…

関ヶ原合戦屏風【2】彦根本系比較

彦根本系 関ヶ原合戦屏風には同じ構図の物がいくつかあります。 彦根城博物館所蔵 2点 関ヶ原町歴史民俗資料館所蔵 1点 行田市郷土博物館所蔵 1点 他に個人所蔵のものが数点 なにしろ構図が同じなのでぱっと見とても区別し難いです。 私はどこをみて判断して…