金雲のすき間

合戦図屏風より愛を込めて

『図説「合戦図屏風」で読み解く!戦国合戦の謎』読みました

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屏風の写真もカラーでたくさん使ってあり、新書版なのが惜しい大きさでした。 写真が多いご本は大判サイズで見たいですよね。 しかし屏風を見るというよりも、読み応えのある内容でしたので この本はこの大きさでいいのかと思います。

屏風からの各合戦の説明でしたが屏風が挿絵や添え物的な扱いではなく 〝屏風から読み取る合戦〟という着眼がツボです。 知りたいのはそこですから。

合戦図屏風は描き手(もしくは制作者)の主観が入ることで同じ合戦を扱う屏風でも ◯◯家によって描かれたものと△△家によって描かれたものでは視点が違い 一つの合戦に対して多角的な方向から考察出来る資料となりうる、ということ。 また、文献などの文字資料だけではわかりにくい部分も絵図による視覚的に伝わりやすい資料となり、 武将の働きだけでなく合戦に巻き込まれる庶民も描かれ戦国時代を知る見てわかる資料として貴重です。

各合戦をよくご存じの歴史好きには〝今さら〟な合戦の話なのかもしれませんが、 屏風による側面から見るとまた違う発見もあるかと思います。

屏風が描かれた時代に「七本槍」が流行ったのではないかというエピソードは目新しい。

こういうエピソードは屏風側面ならではかと思います。 面白かったです。

屏風にご興味がある方にさらっと読めるのでオススメしたい本であります。