金雲のすき間

合戦図屏風より愛を込めて

東京国立博物館『洛中洛外図屏風』と『厳島遊楽図屏風』

東京国立博物館の本館に 『洛外洛中図屏風』と『厳島遊楽図屏風』が展示されていると知り ちょろっと上野まで足を伸ばしました。
刀剣女子で賑わう刀のコーナーを抜け 奥まったところにある屏風コーナーに目当ての屏風がありました。 現存する『洛中洛外図屏風』ってどのくらいの数があるんだろう。 まだその辺りを調べていないのですが、『洛中洛外図屏風』は室町時代から江戸時代あたりまでの その時代ならでは京の都の賑わいを描いた風俗図として研究が進んでいるので資料はたくさんあります。調べてみないとね。


さて展示されていたのは
『犬追物図屏風』
洛中洛外図屏風
厳島遊楽図屏風』
の三点


◆『洛中洛外図屏風』 筆者不明 江戸時代17世紀 紙本金地着色 個人蔵 合戦図屏風もそうなのですが美術品としての観賞用屏風と違い作者がわからない事が多いです。

六曲一双

右隻の鴨川の上に、豊臣秀吉ゆかりの方広寺大仏殿と豊国神社、左端に京都御所、下京の街中には祇園祭山鉾巡行が描かれている。 左隻中央にそびえ立つ徳川将軍家の二条城から御所へと向かう行列がみえる。江戸時代の洛中洛外図屏風の典型的な構図である。

f:id:ujikintoki_byoubu:20160817125525j:plain 左隻

f:id:ujikintoki_byoubu:20160817125650j:plain 右隻

上杉本や舟木家本など、実物をみたいものです。

 

◆『厳島遊楽図屏風』 筆者不明 江戸時代17世紀 紙本金地着色 おそらくは「名所屏風」というcategoryなのだと思われます。 「日本三景」としてたくさんの詩歌に読まれ、描かれてきた名勝地の一つとして かなりの種類の屏風絵も残されているようです。 そんなわけで是非実物がみたいと足を伸ばしたわけです。

実物眺めて満足しました。 『洛中洛外図屏風』に引けを取らない豪華絢爛。

六曲一双

厳島神社を中心に、厳島を北側から見た景色を連続した一双の画面に描いたもので、多くの人物の遊楽の様子がみてとれる。舟木家本「洛中洛外図屏風」(当館所蔵)など近世初期風俗画と共通する図柄も用いられており、図様継承を考える上でも貴重な作品である。

まだ合戦図屏風極めてないので名所関係までは手を伸ばしづらいですが大変興味ある辺りです。

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右隻 赤い厳島神社が金雲の中、豪華に映えます。

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左隻


特別展はテーマに沿った展示品がまとめて見られてお得感もあるだけに見学の人も多いです。 さりげなく常設の方に展示物を見学に行くのは 人混みも避けられゆっくり鑑賞出来るので至福です。
年パス買っちゃったのでまた行きたい。