金雲のすき間

合戦図屏風より愛を込めて

合戦図屏風研究の今後

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何か新しい情報や史料はないだろうかと時々「合戦図屏風」でググってみたりしています。

ここが引っかかったりして、そうじゃない!私の探しているのはそれじゃない!と怒りつつあっちこっち覗き回っています。
以前も書きましたが合戦図屏風の研究自体が近年に始まったばかりですから、論文も少ないです。

と、思っていたらこんなサイトを発見しました。

東京大学史料編纂所

2016(平成28)年度 東京大学史料編纂所 特定共同研究 共同研究員募集要項

Historiographical Institute The University of Tokyo

 今年度の共同研究員を募集している項目を確認すると……

『複合史料領域  ○戦国合戦図の総合的研究』

おおおおお!三年掛けて屏風を含む戦国合戦図の研究をするということですね!

7.課題の概要(400 字程度) (この項は広報等に利用・掲載することがあります)

中近世武家社会において作成されたさまざまな「合戦図」について、屏風絵あるいは 合戦地図、そのほか主として武家文書群などに含まれるいくさにかかわる画像史料を広 く収集・検討し、それぞれの描かれ方や諸本の系統、そこに描かれた内容などを研究する。それぞれの「合戦図」の典拠となる情報(軍記・家伝など)を追究し、これらがいかなる理由で作成されたのか、(近世)武家社会における「戦国合戦」に対する歴史認識、 また武家社会においてこれら「合戦図」が作成された歴史的意義について明らかにする。 またたとえば屏風絵(合戦図屏風)や合戦地図を比較検討することにより、これらが相互に関係していたのかどうかなど、個々のジャンルの「合戦図」の史料的性格を可能な かぎり明らかにする。

ああ!こういう資料を読みたいと思っていたのです!これから研究が始まるということは……今まで研究されてなかったんだ、やっぱり。資料ないわけだ。

合戦図屏風はただの戦国史の挿絵ではなく、そこにはどんな歴史的な意義があったのか。江戸時代後期に量産された意味は。すごく知りたい辺りです。

「合戦図」の研究は、合戦図屏風に関心のある文献史学の研究者、および絵画史料の 歴史研究者はもとより、中世・近世各時代の研究者、また軍記・兵学といった国文学・ 思想史研究者が垣根を越えて取り組む必要がある。

 すごくツボです!そうなんです。史学だけではなく様々な方向からの研究が必要になるのが戦国合戦図だと思うのです。

11. 研究成果の公開計画 可能なかぎり史料編纂所所蔵の「合戦図」を撮影し、これらをデータベースを介して公開 する。また共同研究員各自がそれぞれの関心から「合戦図」の研究を進め、論文集のようなかたちでまとめる。 

今後の研究がとても楽しみです!三年後に何らかの形で発表されるであろう論文を楽しみに生きていこうと思いました。

屏風の研究はこれからだ!